茶人の交わり とも、言えるような、
1室で、お席を囲んだ同士が 感じることのできる 満足感がございます。
そこには、たとえば私のような、「亭主」、と呼ばれる人間の存在が不可欠でー
そんなお話を、下の動画でしております。
夏ふぐ 夜話 と題しまして、ほぼ、声だけの 動画を、作ってみました。
以下、youtubeでお話しました、そのお話の その2 の、本文でございます。
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お客様が美味しい時のお声、というのが、ございまして。
私たち飲食店主は、そのお声を聴けると喜ぶ、不思議な人種でございます。
このお題で、お話を進めますと、どんどん、人が悪いなぁ、と思われますから、
一番よく伺う言葉だけを申しますと、
ひと言、「ああっ」でございます。
それが、「あ~」でありましたり、変化形はたくさん伺いましたが、
圧倒的に、「あ」とおっしゃる方が、多いと感じております。
皆様、どうもありがとうございます。
さて、
まだまだ お話始めたばかりですが、
ちょっとお題を、脇道へずらさせて頂いて。
このお話の中での、私の立ち位置、と申しますか、
いわゆる「亭主」という人間が居るお店での、
「亭主」の活用法につきまして、お話を広げます。
いわゆる、「茶人の交わり」と、申すもの。
知らない同士が、お茶室で対面して、
お茶にまつわるお話ばかりをして、意気投合するだの、
座が盛り上がるだの、の、お話でございます。
何とも、お話の切り出しからして、何のことやら、宙に舞ったまま、です。
もっと悪いことに、
私は、「茶道」を理解していない者なのですが、
その私が、とある家元の方から、
「貴方もしていますよ」、
と、言われたもので、ご紹介・・せざるを得ないと申しますか。
無理に、格好をつけて申し上げますと、
一緒の体験をするための、ナビゲーター、とでも、申したら宜しいのか。
さしずめ、私が申すことですから、
「茶道」、ならぬ「ふぐ道」?
いやいや~、そんな堅苦しいものではございません。
申し上げたいことが、キチンと、伝わりますか、
怪しいものではございますが。
私の店にいらっしゃるお客様の、私に話しかける際のお話は、
「今日のふぐは、どこから?」
と、切り出される方が、多いですね。
お客様へのご無礼を、平にお許しいただいて、お話をしますとね、
ふぐはどこから?と、お尋ねになっても、
お客様は、別に、そのお話を、深い興味があるから、仰っている訳でもない、
まして私が、料理の説明を、長々とするのを、聞きたくて、
お話の口火切りに、切り出して下さったわけでも、ございませんで。
たとえば、
私の店にございますのは、料理と、絵と、器と。
お客様がご自由に、これらの中の一つを題材に、
良い絵だね~、とか、どんな器だろう、とか、
座の中心に用意された物に、つながるような話題を、選んで、
正客様と、お話しているうちに、
正客様と、お客様に、お互い、お相手の「何か」が、見えてくる。
お相手が、何に興味があって、どんなタイミングで相槌を打つか、
この人に話を向けるなら、どういう時に、向けたらよいか、
そもそも、お相手が、自分と手を結びたいか、
時には、この人は良い人か? なんてことまで。
こういう感じを、ひと言で申すと、
なにやら、七面倒くさい申し方になりますが、
「ひとつ場所で、一つ目的を決めて、集まった同士の、仲の良さ」
こんな感じのもの、が、狙いなのだそうです。
別の場所でも、ございますよね。
たとえば、船。
釣り船とか、ダイビングなど、
出かける時は、船の中は妙に静かなのに、
戻ってきて、陸に上がる寸前になると、
お互い、ずいぶん前からの仲良しだっけか?と思うくらい、親密になっていたり。
船の中は、いきなり、にぎやかになります。
まー、ただ同舟なさっただけの仲ですから、
当然、お一人で、海に向かってお話したい方も、乗っていらっしゃる。
でも、それはそれで、大丈夫。
そういう方へは、ご一緒された皆さんの、たいていの方が、
船が港へ帰る頃までには、
「この人には、話しかけないようにしよう・・」って、気が付いています。
そんな、同じ船に乗った同士だから感ずる、同じ空気で、
船で見たものの、お話をしているはずが、
実は、相手という「人物」が、とてもよく見える。
これが、「茶人の交わり」茶道では、感じられるのだ、と伺いました。
ほう。。
さて、「亭主」、のお話ですが。
同じ体験の空気の中に、一人か、多くても2、3名で、十分。
船頭さんだとか、ガイドだとか、茶人だとか。
際立って詳しい、本日の一座の説明役を、少ししてくれる人がいてくれると、
居合わせた、お互いの親密さは、飛躍的に上がってまいります。
自覚してか、しないでか、
この役目を買っているのが、私たち、「亭主」でございます。
亭主の持ち出すものは、「話の目玉」でございまして、
これが、釣りやダイビングのポイントだったり、茶道具だったり。
いわゆる「珍品」とか、言われるもの。
それで、そんな形で、珍品目当てに、集まった方たちの事を、
「好き者(すきしゃ)」などと、言う。。
最近のテレビの影響で、急に使われだした言葉のようですが、
実は、戦国時代からあった、言葉だとか・・
いやいや、脱線が過ぎました。
そんなわけで、
本日の亭主、私めが持ち出します「珍品」は、「夏ふぐ料理」、でございます。
実際のご宴席でございますが、
私、自らに課していますルールがございます。
お客様の前で、長くても、5分以上、自分だけでしゃべらない事。
本日はそのルールを、大幅に破っておりますが、どうぞお許しくださいませ。
なぜ、5分以上続けてお話しないか、と申しますと、
その前の文章で。ご説明しておりますとおり、
長いお話は、お客様が飽きてしまいますから。
本日は、私が長々とお話しておりますが、
全部お聴きいただかなくても、宜しいお話ばかりでございます。
また、すべて覚えて頂いて、ご宴席で私をやり込めるネタになさる、というのだって、
ご一緒の正客様が、それでお喜びになるのでしたら、全く歓迎でございます。
そんな、亭主から、夏ふぐのお話をまた、続けさせていただきます。
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