器好きには、たまらない・・

オーナーの熊澤でございます。
このお茶碗は、江戸期古伊万里の花唐草の蓋つき茶碗でございます。
店の他では、ひょっとしたら、美術館でお目にかかれるかも、しれません。
染付(そめつけ)と呼ばれる、世界一古い色付けの一つだそうです。
呉須(ごす)と呼ばれる染料を使って、筆1本で器に緻密に細密模様を描いて、濃淡を出して、焼き上げる。
私も陶芸教室に通って、挑戦してみたことがありますが、
この、呉須という染料は、火入れする前は、ただ淡い土色の、ドロドロした液体ですね。
正直申し上げて、これで器に絵をかいても、そのままでは、何を書いたんだか、よくわからない。
わからないままで、薄く延ばしたり、スゥ~~っとひとすじ書き入れたり。
そんな、ほとんどイマジネーションだけで、焼き上がりの精緻な模様を作り上げる・・・!
乱暴に申し上げるなら、子供のころやった、半紙にミカンの絞り汁で絵を描いて、火であぶって。。
あれを、濃淡付けて細かく仕上げたような感じ・・・ホント、神業ですね!
元は、私が2代目を継いだ際に、あまりにも店が古ぼけていたので、何か器で楽しくできないか、
そう思ったのが、古い器たちを店で使い始めたきっかけでございます。
店で使う、と思って始めたので、ふぐさしをよそってお出ししたら、大変ご好評いただきました。
それで、当店のふぐさしは、必ず、時代物を使っております。
以来25年、
「器は足りてから増える」との、同じ趣味の方の金言(?)の通り、どんどん増えて、
買ったまま、取り出していない器も含めると、2,3百枚あるか・・、全部で何枚あるかよく数えていません。
ご接待の際、正客様が、器がお好きな方でしたら、
当店スタッフに、ふぐさしの器について、ご質問くださいませ。
私がお雑炊の際にお部屋に参りました折にでも、正客様に笑顔になって頂けますよう、
そっとお話に加わらせて頂きます。