お客様の心の「鍵」を開ける

オーナーの熊澤でございます。
私たちが作っているのは、日本生まれの料理ばかりです。
当然、海外のお客様には、見当もつかないお料理であることは、間違いございません。
それでも、その海外からのお客様であっても、
私たちの、雰囲気づくりに徹する姿勢は、伝わってくださるようです。
例えば、の一例をあげてみますと・・
あるとき。
ご近所のホテルのコンシェルジュ様からのご紹介で、当店へいらっしゃった海外からのお客様が、
困ったお顔で、「オーナーに話したい」と。
私が、恐る恐るお席に伺うと・・・
「大変申し訳ない、旅行で来ているんだが、私は日本料理を美味しいと思えないんだ」と。
そのお言葉で、お客様の困っていらっしゃる部分が、突然理解できました。
そのゲスト様は、日本に来たら何でも良いところを見つけてあげなくてはならない、と、頑張った結果、慣れない魚料理に四苦八苦して、自分を責めていらっしゃったようでした。
そこで、私も、
「日本料理は、海外の方が初めて食べたら、ストレンジでしょう。でもよくチャレンジしてくださいました」
といったお話や、
私共の持っている、いろいろな「鍵」で、お心を開いていただいて頂けるよう、お相手させて頂くと、
そこからは、とても和やかに、当店のご用意した「ストレンジ」なお料理を楽しんでくださいました。
そのゲスト様から、最後、お帰りの際に、
「ふぐはわからなかったが、ひとこと言わせてほしい。 マイソン アンド マイフレンズ!」
と、素晴らしいお言葉を頂戴しました!
マイソン、と呼ばれるほど、私は若くはございませんが・・(笑)
レストランは、お客様の心の鍵を探して開けて差し上げる場所でも、あるかもしれません。
たとえ、お客様が、そのお料理を理解できなかった、としても。