昔の器 を使って、話に華を咲かせます
このお茶碗は、昔の器 、江戸期古伊万里の花唐草の蓋つき茶碗でございます。
店の他では、ひょっとしたら、美術館でお目にかかれるかも、しれません。
染付(そめつけ)と呼ばれる、世界一古い色付けの一つだそうです。
オーナーの熊澤でございます。
ぎんざ姿では、150年以上前の、 昔の器 を使っておりますが、
すべては、お客様とゲスト様のお話が、スムーズに流れるために、
私たちが作り上げた、仕掛け、
いやいや、大げさに切り出してしまいましたが、
器を集めてお話しするうち、だんだんその「仕掛け」に取り込まれて、
皆さんも私たちも、笑顔になってしまった・・・
そんな、昔の器が持つ、不思議な「仕掛け」でございます。
本日は、その仕掛けの、遊び方を、少々。
どうやって作ったのか?
呉須(ごす)と呼ばれる染料を使って、筆1本で器に緻密に細密模様を描いて、
濃淡を出して、焼き上げる。
私も陶芸教室に通って、挑戦してみたことがありますが、
この、呉須という染料は、火入れする前は、ただ淡い土色の、ドロドロした液体ですね。
正直申し上げて、これで器に絵をかいても、そのままでは、何を書いたんだか、よくわからない。
わからないままで、薄く延ばしたり、スゥ~~っとひとすじ書き入れたり。
そんな、ほとんどイマジネーションだけで、焼き上がりの精緻な模様を作り上げる・・・!
乱暴に申し上げるなら、子供のころやった、
半紙にミカンの絞り汁で絵を描いて、火であぶって。。
あれを、濃淡付けて細かく仕上げたような感じ・・・ホント、神業ですね!
どうして当店で使い始めたのか?
元は、私が2代目を継いだ際のこと。
あまりにも店が古ぼけていたので、何か器で楽しくできないか?
そう思ったのが、古い器たちを店で使い始めたきっかけでございます。
店で使う、と思って始めたので、
ふぐさしをよそってお出ししたら、大変ご好評いただきました。
それで、当店のふぐさしは、必ず、時代物を使っております。
どうしてこんなに増えたのか?
時代物の器を使い始めて以来、35年、
「器は足りてから増える」との、同じ趣味の方たちの金言(?)の通り、
どんどん増えて、
買ったまま、取り出していない器も含めると、2,3百枚あるか・・、
やはり、虜になると、止まらないですね。
全部で何枚あるかよく数えていません。
お話を振って頂くまで、そっと、店内にございます
当店では、お客様にお出ししても、
リクエストのない限り、私たちから器のお話は特に切り出しません。
ご接待の際、ゲスト様が、器がお好きな方でしたら、
当店スタッフに、ふぐさしの器について、ご質問くださいませ。
私がお雑炊の際にお部屋に参りました折にでも、ゲスト様に笑顔になって頂けますよう、
そっとお話に加わらせて頂きます。