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平成15年・秋のお題

鍋は土鍋、って、思っていたけれど。。。

 〜平成15年11月27日〜
 この写真は雑誌に載せていただいたモノ、なんですが。
 今までウチでも土鍋、使っていたんですが、
 1階の座席を電化したのに合わせて、
 IHクッキングヒーターでも使える鍋を探してきました。
 皆様にはおなじみの、南部鉄瓶。
 あの素材でこさえた鉄鍋です。
 これがねー、案外に想像以上にヨロシイですな。
 鍋の水が柔らかくなるんです。
 いわゆる、雑炊が美味しい。
 おいしく炊けたご飯の表面には、小さな穴がふつふつ、あいてる、
 あの、いわゆる「カニアナ」が、できるんです。

 よく宣伝されている「鉄イオンの補給・・」には、少々マユに唾しちゃいますが(笑)、
 はじめは塩で2時間ほどアク出しをして、
 すると、鍋底が一面に錆びだしてくるから、それでも10回くらい煮てみる。
 そうするうちに、内側がゆるりと光って、落ち着いた感じになるから、
 そうなればもう使って大丈夫。
 ちなみに、IH用でも土鍋は出ています。1個2万円くらいする。
 でも、これは思ったように温度が上がらず、モロイ。
 昔ながらの物が良かったとは、意外でした。
 何でも、使いこなしてみてわかる、って事でしょうかねェ。


こだわらなくてもおいしい、ポン酢のこさえかた!

 〜平成15年11月20日〜
 左は、ウチの店で出しているポン酢。
 カボスを青いうちから絞って、
 昨年の物とあわせて、ダシ、秘伝の調味料、
 水も加えずにこさえまして、あんあん。
 と、
 今回は、そんな説明の要らない、ぽん酢です。
 ポン酢屋が言うんですから、間違いございませんって(笑)

 ご用意いたしますのは、ダイダイ。
 まだ、市場に出回るのは、もうしばらく先になるんですが。
 ダイダイは、青いうちはメチャクチャ値段も高いけど、
 黄色くなって酸味がユルくなってくると、がくん、って、安売りされます。
 これを、いっぱい買ってきておく。
 さて、お鍋が煮えてきましたら、ダイダイを真ん中から2つに輪切りにして、
 ボールに1回だけ、ギュ、と絞ります。
 2度も3度も力を加えると、苦味が出て台無しになっちゃいますから、1回だけ。
 これに、同じ分量のおしょうゆを加えたら、ハイ、出来上がり。

 このポン酢が合うお鍋は、タラ、タイなどの白身、
 しゃぶしゃぶ、とんしゃぶなどの四つ足。
 和風ハンバーグ、なんてのも、イイですね。
 作り置きが全くできないのと、酸味が足りなくて、カツオなどには向かないので、
 冬の、ある時期だけのお楽しみになっちゃいますがね。
 お子様には、絶対に受けること間違いなし!

 せっかくのお鍋ですからね、チョッと奮発して。
 ヘタな高級ポン酢しょうゆを買ってくるなら、こちらの方がおいしいですヨ。


白いエノキと、茶色いエノキ。

 〜平成15年11月10日〜
 あっという間に、11月です(笑)

 さて、写真の右は、エノキダケ。
 皆さんもおなじみですね、
 子供も大好きな、お鍋ご用達のきのこです。
 ところで、左のキノコは?
 これも、エノキダケ。ブラウンと呼ばれる種類です。
 長野産だけど、まだ関東ではあまり流通してない。
 濡れた感じで、石づきほど色が濃い、見てくれは、うう〜〜む、あまりよろしくない。
 何やら右が使用前、3週間経って左になっちゃいました、と言われそうな(笑)、
 口にするには勇気が要りそうなキノコ。
 実際、市場のツマ物屋のおかみさんが、
 「知り合いからもらったけど、気味が悪くて食べてない・・」と、おっしゃったほど。
 でも、このキノコ、
 普通のエノキよりも、香りが強くって、とってもおいしいです。

 秋ですからね、お鍋にも、いろんなキノコと遊んでいただきたいのですが、
 私がふぐにも合うキノコ、で、いくつか選んでみたんですが、
 やはり、鍋ですから、
 鍋地に味を残しすぎない物、煮た時にヌメリや変なアク味のない物、そういったものが、イイ。
 けだし、
 松茸、生シイタケ、エノキダケ、ブナシメジ、一本シメジ、エリンギダケ、などなど。
 今流行りのマイタケは、
 鍋地にマイタケ味とマイタケ色を強く残しちゃうから、
 よりアクの強い、牛肉などの四つ足と組んだ方が宜しいかも、しれない。
 すき焼き。いいですねェ。
 皆様、秋を楽しみましょうね!


絞って、絞って、300kg!

 〜平成15年10月6日〜
 さて、10月になって1週間。
 やっと、待ちに待っていた、
 年に一度の大騒ぎがやってまいりました。
 それは・・・カボス絞り!
 この初秋に収穫されたカボスを絞って、ポン酢を作ります。
 その量、今年は300キロ!
 写真は、10キロの箱。これが、30ケース。
 個室一つが、カボスに占領されます。

 機械で絞っちゃうと、苦味が出ておいしくないから、一つずつ手絞り。
 切っては絞り、切っては、また絞り。
 1週間以内に絞りきらないと、カボスが黄色くなって、酢が甘くなっちゃうから、
 1日50キロのノルマで、店員総出。
 1年分のポン酢用カボス汁が、これで出来上がり。
 ハァハァぜぃぜぃ、じゅっじゅっじゅ〜〜〜〜!!、です(笑)
 これを、昨年から寝かしておいたものとあわせて、味を調合し、
 ウチで使っているポン酢に、なります。
 まさに、物好きの世界、と、ウチでは言ってるんですがね。

 ウチで、御希望の方にお出ししているビン詰めポン酢は、
 こうして店内でお出ししている物を、その場で詰めるんですが、
 値段をはじき出したら、1ビン1,500円!!!
 カボス一つから絞れる量が少ないから、実はこれで、原価です(笑)

 家に帰ると、体中ミカンの匂い。
 一足早いゆず湯にでも、入ったみたい。
 こだわってこさえる、って事は、でも、とっても楽しいことで。
 こうして一生懸命な物をお出しできるから、また頑張っちゃえる、
 その繰り返しが、なんともウレシイのですな。
 この時期は一息ついて飲むコーヒーまで、心なしか、酸っぱいんですヨ。


味を、勉強しよう!

 〜平成15年9月30日〜
 最近、ウチの店のお客さまで、
 以前はなかったリクエストがございます。
 「味のわかり方を、教えて欲しい」
 申し訳ないお話ですが、
 私、最初はビックリ、してしまいました。
 でも、このご質問を頂いたお客さまとお話するうち、
 とっても、大切なことであることに、
 我ながら気が付きました。
 勇気をもってご質問されたお客様に、感謝をしながらの、
 本日のコラムでございます。

 今は、マスメディアで、
 「ココで出されるこの味は最高で云々」
 っていう言葉が横行している訳ですが、
 そんな、文章を読んでから食べても、
 まるで文章を食べているような気がする。
 何が最高なのか、その物の味って、どれが本当なのか?
 そんな、あまりにも捉えどころのない不安を、ぶつけられることがあります。

 たとえば、「生ウニ」
 ウニの嫌いな方に、そのウニの味のイメージを聞いてみると、
 「エグ味」と答える方が、ほとんど。
 これは、ウニの味ではありません。保存料の、ミョウバンの味。
 これが、ウニの表面で乾いて濃縮されると、いやぁ〜なエグ味に変わります。
 最高級、とされるウニでも、ミョウバンは使用されています。
 じゃ、どうしたらイイのか?と、もうしますと、
 いいウニを、海水と同じ濃さの塩水に少し、泳がせてやればイイんです。
 極論ではなしに、
 今の30代以下の方には、ヘタをすると、
 インスタント食品の方が、きちんとした料理より、おいしいと感じてしまいそう。
 そんな不安が、いつでもあるそうです。

 ビックリなさるかも、しれませんが、味は、勉強するもの。
 一番最初に「これが、本当においしい味」って、食材ごとに覚えるものなんです。
 それも、1回食べただけでは解らない、深い深い世界。
 他の例として、たとえば、
 フランス料理の、ブルーチーズを初めて食べた時、どんな味でした?
 あれがおいしいと感じるまで、どなたもが、何度か試されたのではないでしょうか。
 日本料理でも、同じなんですね。

 きちんとした物を、何度か、食べてみる。
 その中から、ゆっくり、おいしいと思える味を見つけて、納得して、微笑む。
 店を換えて、同じ料理でまたその味を探し、
 最後に自分に合う店を決めて、その店の味の世界にどっぷりはまり込む。
 これが、本当の、食道楽なんだとか。
 かく申し上げる私も、まだまだ、エバれるほどの自信は、ナイのですがね(笑)




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